1. 対象のドローンは?
まず、この法律で規制対象となるドローンは、 「小型無人機」 と定義されており、全てのドローンに該当します。
第二条 3項
この法律において「小型無人機」とは、飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他の航空の用に供することができる機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるものをいう。
※小型無人機等の“等”は「特定航空用機器(人が乗るハンググライダー・パラグライダー・気球など)」が含まれます
航空法の適否にある100g以上の無人航空機に限らず、 100g未満のドローンにも適用 されますので、注意が必要です。
2. 飛行禁止の対象施設は?
では、飛行禁止とされる重要施設にはどこがあるのでしょうか?意外と知らない場所もあり、特に土地勘があまりない外出先で飛行させる場合には要注意です。
・国会議事堂、内閣総理大臣官邸、最高裁判所、皇居等
・危機管理行政機関の庁舎
・対象政党事務所
東京都内に所在するこれらの施設は、それぞれの所管のサイトから確認できます。
衆議院 / 参議院 / 内閣官房 / 宮内庁 / 最高裁判所 / 総務省
②対象外交公館等
現在までに、対象外交公館等として恒常的に指定された施設はありませんが、外国の法適用により違法となる場合がありますので、注意が必要です。
③対象防衛関係施設 陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊、米軍のそれぞれの施設が飛行禁止の対象施設として定められています。
具体的な施設の詳細は防衛相HPでご確認ください。
④対象空港
この法律で飛行禁止として定めている対象空港は、新千歳空港/成田国際空港/東京国際空港/中部国際空港/大阪国際空港/関西国際空港/福岡空港/沖縄空港の8つがあります。
これらの空港以外の周辺も航空法により規制されています。航空法で規制される空域はコチラをご覧ください。
⑤対象原子力事業所
次の22の事業所が対象原子力事業所として指定されています。
泊発電所/東通原子力発電所/女川原子力発電所/福島第一原子力発電所/福島第二原子力発電所/柏崎刈羽原子力発電所/浜岡原子力発電所/志賀原子力発電所/美浜発電所/高浜発電所/大飯発電所/島根原子力発電所/伊方発電所/玄海原子力発電所/川内原子力発電所/東海第二発電所/敦賀発電所/高速増殖炉原型炉もんじゅ/新型転換炉原型炉ふげん/核燃料サイクル工学研究所/大洗研究所/再処理事業所
これらの恒常指定の施設のほかにも、2020東京オリンピック・パラリンピックのように一定期間のみ指定される場合があります。このような臨時の指定は警察庁HPのお知らせから確認ができます。
このように指定施設の数が多く、全てを把握することが難しいですが、
各県警HPで対象施設を確認することができます ので、飛行計画の都度、確認するようにしましょう。
(各県警HPの小型無人機等飛行禁止法に関するページリンク)
北海道/青森県/岩手県/宮城県/秋田県/山形県/福島県/茨城県/栃木県/群馬県/埼玉県/千葉県
東京都/神奈川県/新潟県/富山県/石川県/福井県/山梨県/長野県/岐阜県/静岡県/愛知県
三重県/滋賀県/京都府/大阪府/兵庫県/奈良県/和歌山県/鳥取県/島根県/岡山県/広島県
山口県/徳島県/香川県/愛媛県/高知県/福岡県/佐賀県/長崎県/熊本県/大分県/宮崎県
鹿児島県/沖縄県
3. 飛行禁止の範囲は?
次の範囲が飛行禁止の空域として定められています。 ➀対象施設の敷地・区域の上空(レッド・ゾーン)②周囲概ね300mの上空(イエロー・ゾーン)
4. 飛行が許可されるケース
これらの地域では一切飛行が許されないわけではなく、 次の例外の場合は飛行が認められます。
②土地の所有者もしくは占有者がその土地の上空で行う飛行
③土地の所有者の同意を得た者が、同意を得た土地の上空で行う飛行
④国または地方公共団体の業務を実施するために行う飛行
ただし、対象防衛関係施設と対象空港の対象施設の敷地・区域の上空(レッド・ゾーン)は、上記の例外であっても、対象施設管理者の同意が必要です。
(たとえば、市役所からの委託を受け、自衛隊基地の敷地内で飛行させる場合にも、施設管理者の同意が必要です。)
また、これらの例外を受けて飛行させる場合、対象施設を管轄する警察署(都道府県公安委員会)への事前の通報、海域が含まれる場合は警察署(都道府県公安委員会)に加えて管区海上保安本部長への事前の通知も必要です。
5. まとめ
飛行計画を立てる際には、小型無人機等飛行禁止法で定められている規制の対象施設に該当するか否かを十分に確認し、該当する場合、各所からの同意と関係機関への事前の通報など入念な準備が必要です。違反した場合には、懲役・罰金などの厳しい刑罰が科せられる場合もあります。
ドローンの安全利用のためにも、不安な場合には県警に確認するなどにより確実にルールを守りましょう。