6つの基礎知識

03.ドローンの資格

2022年12月から施行される新制度「一等無人航空機操縦士・二等無人航空機操縦士」の最新情報をお届けします。

※本記事は、「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」他、政府等からの公開情報をもとに掲載しています。そのため、正式に決定されていない情報も含まれます。予めご了承ください。

目次

  1. ドローンの資格制度

    一等無人航空機操縦士と二等無人航空機操縦士の効力

  2. 資格の種類

  3. 資格がないと飛ばせないの?

    第三者上空以外は資格がなくても飛行可能なケースあり

  4. 取得までの流れ

  5. スケジュール

  6. 民間ライセンスはどうなる?

  7. まとめ

1. ドローンの資格制度

まず、航空法で整備が進んでいる無人航空機の操縦士資格制度(無人航空機操縦者に関する技能証明制度)は大きく2つ「一等無人航空機操縦士」と「二等無人航空機操縦士」に分けられます。
この制度を理解するためには、「ドローンの飛行態様に応じた等級:レベル1~4」と「飛行のリスクの程度に応じた等級:カテゴリーⅠ~Ⅲ」を理解しておく必要があります。

現在、正式に公開されている文書の中には、レベル・カテゴリーのどちらの表現も混在しており、少々ややこしくので、整理しておきましょう。

まず、、レベルによる分類はこのようになります。
差し替え予定
現行の制度では、レベル4の飛行許可・承認を得られないため、実質不可能でした。
新制度ではこのレベル4にも許可・承認要件を定めることで将来的に宅配ドローンなどの実現を目指すものとなっており、それに伴って、新たにカテゴリー分類が出来たのです。
差し替え予定
2つの操縦士資格にはそれぞれ次の効力があります。 ① 一等無人航空機操縦士
レベル4「有人地帯で目視外飛行」を含む、カテゴリーⅢ「第三者上空」で飛行させる場合、資格を保有していることが許可・承認を受ける必須要件です。
また、カテゴリーⅡAで飛行させる場合で、「機体認証※1」を受けた機体を使用する場合、資格を保有していることで許可・承認が不要になります。マニュアル

② 二等無人航空機操縦士
カテゴリーⅡAで飛行させる場合で、「機体認証※1」を受けた機体を使用する場合、資格を保有していることで許可・承認が不要になります。マニュアル
※1 機体認証…コチラ「機体に関する認証制度」を参照

2. 資格の種類

一等無人航空機操縦士・二等無人航空機操縦士は、自動車運転免許のように限定条件があります。
限定条件は、「飛行の態様」によるものと「機体の種類」による2つの分類があり、内容はそれぞれ次のとおりです。

【飛行の態様による限定】


【機体の種類による限定】


① 飛行機(固定翼)
② 回転翼航空機(マルチローター)
③ 回転翼航空機(ヘリコプター)

3. 資格がないと飛ばせないの?

結論…「カテゴリーⅢ:第三者上空」以外は、資格は必須要件ではありません。 「カテゴリーⅢ:第三者上空」は、一等無人航空機操縦士を取らなければ飛行させることができません。
一方、「カテゴリーⅡA、ⅡB」は、二等無人航空機操縦士がなくても、許可・承認を得ることで飛行させることができます。
「カテゴリーⅠ」は、資格、許可・承認等も不要で飛行させることができます。

※本記事の「許可・承認」は、航空法によるもののみを指しており、民法や条例その他法令により飛行が禁止されている場合があります。航空法以外の規制はコチラを参照ください。

4. 取得までの流れ

では、「一等無人航空機操縦士」と「二等無人航空機操縦士」はどこでどうやって取得できるのでしょうか?
まず、今回の新制度により、新たに「登録講習機関」と「指定試験機関」が設立されます。

① 登録講習機関
レベル4「有人地帯で目視外飛行」を含む、カテゴリーⅢ「第三者上空」で飛行させる場合、資格を保有していることが許可・承認を受ける必須要件です。つまり、飛行させるには、一等無人航空機操縦士資格を必ず取らなければなりません。

② 指定試験機関
カテゴリーⅡAで飛行させる場合で、「機体認証※1」を受けた機体を使用する場合、資格を保有していることで許可・承認が不要に

登録講習機関(スクール)で、学科・実地の講習を受け、実地の修了審査に合格し、指定試験機関で学科の試験と身体検査に合格する ことで、ライセンスの取得ができます。
引用:国土交通省(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kogatamujinki/kanminkyougi_dai17/gijisidai.html)
では、それぞれの課程についても少し解説していきます。

① 学科講習
登録講習機関(スクール)で受講する学科講習は、法令や安全に関するカリキュラムが定められ、それぞれ相応時間の受講が必要となります。

② 実地講習
安全に運航が可能なよう操縦に関する相応時間のカリキュラムを登録講習機関(スクール)で受講し、実地技能を習得します。

③ 実地試験(修了審査)
指定試験機関で直接試験を受けることを実地試験といい、登録講習機関(スクール)で実地講習の修了審査を受けることで、実地試験が免除されます。試験・審査では、主に操縦に関して規程の技能を有することが求められます。

④ 学科試験
学科試験は、指定検査機関で受験することとなります。法令や安全、機体に関する内容まで幅広く、登録講習機関(スクール)でしっかりと学んだ内容をもとに一定水準の合格点が求められます。

⑤ 身体検査
ドローンの運行に際して身体基準を満たしているかが求められます。医療機関の診断書か指定検査機関での身体検査によるほか、 公的証明書(自動車運転免許など)の提出 をすることで合格証が得られます。
ただし、一等無人航空機操縦士で25kg以上の機体を扱う場合は、これとは別の検査が求めることとされています。

5. スケジュール

6. 民間ライセンスはどうなる?

これまで、ドローンスクールジャパンでも多くの卒業生様にライセンスを発行して参りました。
民間ライセンスを取得された方は 「せっかくライセンスを取ったのに意味がなくなるの?」 と心配されている方も多くいらっしゃると思います。
ここでは、「民間ライセンスを取るメリット」について解説します。

まず、これまでも飛行許可・承認によって飛行可能であった レベル3以下の飛行ができなくなるということはありません! そのため、必要な手続きさえ行えば、基本的にこれまでどおりドローンを楽しむことができます!

さらに!新ライセンス制度(国家資格)を目指す場合、前述の登録講習団体での 「学科講習」と「実地講習」の必要受講時間が、初学者の方と比較して半分以下 になる方向であるということが分かっています。

もちろん、その分費用も抑えられますので、これは民間ライセンス所持者の方には大きな朗報なのではないでしょうか。

7. まとめ