6つの基礎知識

01.ドローンの歴史

今では誰もが知り、実際に操縦したことがある方も多いのではないのでしょうか?
日本人にも徐々に日常の当たり前になりつつあるドローン。 ドローンのルーツや開発の背景 を知ることで、更に関心が深まること間違いでしょう。
今回はそんなドローンのルーツについて迫っていきましょう。

目次

  1. 第二次世界大戦中の開発

    イギリス軍やアメリカ軍による研究開発が本格化

  2. 冷戦以降1950年代から本格的に軍事利用

    主力軍備として各国の開発競争が激化

  3. 世界初の産業用ドローンは日本企業が開発!

    初めての産業用ドローンなんとアノ分野だった

  4. 空の産業革命

    ドローンを取り巻くテクノロジーの急速な進化

1. 第二次世界大戦中の開発

まず、ここでいうドローンは“遠隔で操縦”する航空機と定義し、飛行機型やヘリコプター型(シングルローター)を含みます。この技術の開発は、第一次世界大戦から始まり、 第二次世界大戦から本格的な研究 が始まったと言われています。第二次世界大戦中の研究では、イギリスやアメリカによる記録が多く残されていますが、 実際には計画どおりに成功した例は残されておりません
一方、巡航ミサイルや弾道ミサイルは当時から実用化されており、システムやテクノロジーは類似していますが、運用や操作方法の面から一般的にはドローンには含まれないとされていますが、 この頃から“ドローン”という呼び名 は存在していたようです。

2. 冷戦以降1950年代から本格的に軍事利用

第二次世界大戦以降、各国では軍事利用目的の開発競争がますます激化していきました。このころ広く普及したのは、標的機と呼ばれる練習用のターゲットや迎撃用に使用されるドローン。実際に、アメリカ軍もソビエト連邦軍もそれぞれ配備していました。さらに、アメリカ海軍では、魚雷投下の目的で遠隔操縦が可能な無人ヘリコプターQH-50 DASHが使用されていました。 その後、通信機器やセンサー、コンピューターの発達、そして 小型化が急速に発展 したことにより、世界各国で攻撃・迎撃・偵察などを目的としたさまざまな軍事用ドローンが実用化されてきました。
近代軍事ドローンで最も有名なアメリカ空軍の RQ-1/MQ-1通称プレデター は偵察や攻撃を目的とした重要な軍備のひとつになっています。 さて、ここまで兵器として研究開発が進められてきた歴史を紹介してきました。一方、わが国日本では、軍事・防衛目的の研究の他、こうした ドローン技術の平和的利用を目的 とした研究開発が進められてきました。

3. 世界初の産業用ドローンは日本企業が開発!

1980年代に農林水産省とその外郭団体の農林水産航空協会では、農薬散布を目的とした無人ヘリコプターの開発が進められていましたが、100kgを超え安定性と実用性に欠けていたことから、開発は難航していました。その後、 実用機として1987年に世界初の産業用ドローンR-50 (ヤマハ発動機)が誕生しました。 その後も、ホビー用模型飛行機、農業や空撮を目的とした産業用ドローンなどが次々に広まっていきました。

4. 空の産業革命

皆さんが「ドローン」を最初に耳にしたのは、2013~2018年あたりではないでしょうか?最近開発されたものと思われがちですが、 実は70~80年の長い歴史 があるのです。
「空の産業革命」 と呼ばれる近代では、リチウムイオン二次電池やGPSの普及、各種センサーやカメラ・半導体の超小型化など、 ドローンと取り巻く様々な技術が急速に発展 したことにより、今では安価で汎用性も高いドローンが次々と世に出回っています。
Parrot社、DJI社、3D Robotics社の世界3大ドローンメーカーをはじめとするメーカー各社がさらにしのぎを削り、もしかしたら、宅配やタクシーのようなドローンが実現するのはもう目の前かもしれませんね!